ミステリーのススメ

こんにちはaiです。毎日暑いですね。
今年の夏は「節電」がテーマですよね。
aiもNATSUと同じように家ではクーラーを付けずに過ごしています。
今更クーラーをつけてしまうと,負けた気がするので我慢しています。

タオルでアイスノンをくるんで首に巻いたり,
ガリガリくんを食べたり,
図書館で過ごしてみたりと努力は惜しみません。

そんなこの夏の節電対策としてaiがおススメするのは,

ゾッとする本を読むことです。

ただし,ホラーはあまりにも怖くて夜トイレにも行けなくなるため,
ミステリーです。あくまでゾッとする程度に留めておきたいと思います。

私が好きな本は読後感が悪いので,スッキリ終わりたい方には
モヤモヤさせてしまうかもしれません。

尚,「ゾッとする度」と「読後感の悪さ」を★5点満点でaiが勝手に評価しました。
ちょっと「食べログ」みたいにしてみました。
役に立つかどうかはわかりませんが参考にしてください。

 

 

乱反射」貫井 徳郎

ゾッとする度 ★★★☆☆
読後感の悪さ ★★★☆☆

ある幼児の死をめぐる物語です。

この本は冒頭に幼児の死について書かれており,-44章から始まり,事件から1章になります。事件を中心に時間が流れます。

幼児とは無関係な人々の,日常の下らないエゴ,些細なルール違反,身勝手さが複雑に重なり合って小さな命を奪うことになります。

一人ひとりは普通の人で,小さなエゴに悪意なんかないのです。
でもその個人的なエゴが重なり,殺人に発展しました。

自分さえよければいいという気持ちは,そこらじゅうに溢れています。
自分にも思い当たる身勝手な行動に,ゾッとしました

モラルを失った今の日本をリアルに表現している話だと思いました。
子を亡くした親の心理描写には胸が痛みました。

この本はミステリーというよりも,社会派小説という感じです。
読んでいる最中は人々のエゴに対してムカムカしていましたが,終わり方がすごく良かったです。どう良かったかはあえて言いませんが。

読後感の悪さは★3つです。後からジワジワ来ます

世の中に「『乱反射』のテーマと無関係でいられる人はひとりもいないと思います。ひとりでも多くの方に読んでいただきたい作品です。」(著者HP抜粋)

貫井 徳郎 ホームページは→こちら 

 

 

残虐記」桐野 夏生

ゾッとする度 ★★★★☆
読後感の悪さ ★★★★☆

タイトルからして,覚悟して読んだほうがいい作品です。

失踪した小説家が残した原稿には,25年前に起こった幼女集会・監禁事件の自分が被害者であるという事実が書かれていました。誰にも語ることのなかった「真実」に迫る物語です。

犯人と少女しか知りえない真実,
世間の好奇の視線,
小説家の嘘と真実,
最後まで油断できない展開,

薄い本ではありますが,一気に読めてしまいます。
そして読んだあとずっしりと重く嫌な気分を引きずります。
桐野夏生の作品は,ハードボイルドで,人間関係のリアルなドロドロ具合がおもしろく,人間の愚かさや醜さが,なぜか読者を惹きつけます。物語の奥へ奥へと深みにはまっていくようなゾクゾクするような感覚にいつも囚われます。

これ以上読みたくないぐらい気分が悪くなっても,
次はどうなるんだろう?最後はどうなってしまうのか?
と,作者の仕掛けた巧妙な罠にはまって読み進めてしまうのです。
物語が終わるまで解放してくれない焦燥感と,
読後のとてつもない疲労感,

そんな桐野ワールドを一度覗いてみてはいかがですか?
ただし,一度はまるとそのぬかるみからはなかなか出て来られなくなり,
徹夜が続くことになるかもしれません。

他の作品に『OUT』『グロテスク』『東京島』など数多くの話題作があります。
英訳版『OUT』が,2004年にアメリカで権威のあるエドガー賞に,日本人で初めてノミネートされました。平凡なパートの主婦たちがおぞましい犯罪にのめりこんでいく話です。ゾッとする度からいったらこちらの方が上かと思います。

「残虐記」…第17回 柴田錬三郎賞受賞作品

桐野 夏生ホームページは→こちら 

そんなわけで今回は2作品を紹介しました。
物騒な話2本立てで申し訳ありません。

秋になって涼しくなったら心温まる本を紹介しようと思います。

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