ヒロシに追いつけ!ソロキャンプあれこれ(4)、大人の「ままごと」をする

草食系高齢者の window-tribe です。鬼の目の監視下で焼き肉などに行った記憶は太古の昔で、外食といえば料亭・割烹で和食三昧の生活を続けていました。あながちウソではなく、「肉への渇望」が今回のミニトリップの原動力となりました。


このコーナーのメイン舞台である愛媛県今治市の見近島キャンプ場に初めて泊まった時には、しまなみサイクリングをしていた時のように、あくせくと移動することばかり考えるのではなく、腰を落ち着けてゆっくりしようという考えで行ったはず・・・でした。

ところが折角原付バイクで来たので、自転車で行ききれなかった大島の要所を観光して周り、結局大人しくしていませんでしたので、夜は袋入りのおでんをコッフェルで温め、餅を焼いて酒で流し込み、翌朝は保冷材代わりにしていた冷凍の鍋焼きうどんを温めて食べたという「簡単に済ませた」だけの食事でした。


そこで昨年の10月初旬に行った2回目の見近島キャンプは今度こそ、もう少し腰を落ち着けてみようと考えました。キャンプでの食事の定番はバーベキューとカレーライスですが、この時は恐る恐るバーベキューと言うより「一人焼き肉」にチャレンジしてみました。

ここで、職業病的な疑問が湧いてきて「焼き肉」と「バーベキュー」の違いなのですが、軽い気持ちでネットで調べると「全国焼肉協会」とか「日本バーベキュー協会」などの本気な団体があり少々たじろぎました。

大きな相違点としては、焼きながら食べるのが「焼き肉」、焼いたあとに食べるのが「バーべキュー」という定義もあるようです。

バーベキュー協会さんのサイトによると両者の違いの定義は肉の違いにもあるようで、焼き肉は、刺身のような薄切り肉を軽くあぶる程度に焼きながら食べる。バーベキューはステーキのような肉をじっくり時間をかけて調理し焼き終えてから食べると記されています。


フェリーを使わず、陸路で尾道を目指す

バイクでしまなみ海道にアクセスするようになって横着が身につき、竹原の忠海港から一気に大三島にジャンプして見近島に行っていたのですが、この時は、せっかく紡ぎ出した時間を最大限に有効活用しようと考え、尾道からちゃんとしまなみ海道を走って見近島に向かいます。

昨年の10月といいますと、私の住んでいる東広島市周辺は「平成30年7月豪雨災害」の爪あとが各所に残り、広島空港から下った辺りの沼田川沿いでも災害の爪あとが目の前に広がっていました。

 国道2号線をひた走り、三原市も糸崎を過ぎますと、対岸にはこのあと渡ることになる因島大橋を横目で見ながらのシーサイドルートとなります。

その後、尾道市街に入り、月一回は必ず通っていた蕎麦屋の「笑空」さんに駆け込み、ランチタイムで蕎麦と炊き込みご飯と玉子焼きの定食を頂きました。 キャンプを再開する前のサイクリング一辺倒だった時期は、ここへは週末に仕事が終わって自転車を車に積み込み厳選された肴と日本酒のマリアージュを楽しみ、最高の蕎麦で〆て、近所で一風呂浴びて車中泊して、早朝からしまなみ海道サイクリングに向かっていました。 原付でわざわざ尾道を経由するのは、この星付きのお店のご主人に顔を覚えていただき、仕事に対する考え方や食べ物やお酒について教えていただく常連面を保つこととャンプを両立させるためです。お酒抜きでも手抜きのない仕事ぶりで至福のひと時を過ごせました。


尾道一番店の「朱華園」の前は相変わらずの大行列でしたが、「笑空」「朱華園」の両店ともこの後に年が明けてから暫くして、事情は双方違えど長期休業に入るとはこの時は思ってもいませんでした。

そんな事でひとまずノルマをこなしたのち商店街を歩いてみましたが、休日には何がしかの市などのイベントがあるのが尾道の楽しい所以です。

尾道の郵便局には警察のバイクが止まっていて、後ろのしっかりした白いBOXに興味が惹かれ見入ってしまいます。私のバイクの後ろにゴムバンドで縛り付けた、へなちょこBOXは以前書きましたようにダイソーのグッズで工夫し荷台面積を拡大して安定感が若干は向上しましたが、まだまだ改善の余地アリです。


しまなみ海道に踏み出す

13時半ごろに尾道を後にして、渡船でしまなみ海道に踏み出します。
お金を使わず、工夫して、不便を楽しむ」がシリーズテーマの旅日記ですが、今回の予定ではディナーは何が何でも「焼き肉」ですので、主役は100円ショップ「ダイソー」で売っていた網・コンロ・スタンド・着火剤・豆炭がワンパッケージになった300円の「インスタントコンロ」です。まあ、俗に言う使い捨てコンロで、一人か二人でわびしく焼き肉をするには手間いらずで、ぴったりなアイテムです。

そして朝食は、焼き肉で余らせた野菜を刻んでたこ焼きの予定・・・でした。道中何だか嫌な予感がしていたのですが、「待てよ、ひょっとすると」と思いながら、荷台のケースを開けてみたところ、丸いたこ焼き鉄板が入っていません。前日に家で予行演習してそのまま台所に置いたままでした。

「やらかしたなぁ」と思いながらも、向島にもダイソーがあるので、そこで店内を回りながら次善策を練ります。たこ焼き鉄板は多分どこに行っても入手できないので、世間では「スキレット」というそうですが、鋳物の四角いフライパンみたいなのを200円で購入しました。

あとは、目的地を目指してひた走ります。自転車と違って橋毎に料金を払いますが、ちょっとお得な回数券を前回来た時に用意していました。料金をちょろまかされないように監視カメラも設置されています。

そんなこんなで道中は毎度同じ話になるので「中略」して・・・・


伯方島まで来て、見近島への降り口がある伯方・大島大橋に向かいます。時は16時前ですが橋の上から見た見近島キャンプ場は、時間が遅いせいで海寄りの藤棚エリアは先客で埋まっていました。

まずは下に降りて場所取りですが、今回は山寄りの桜の木の下にテーブル代わりになりそうな四角い石がある所が空いていたので陣取る事として、テントをさっさと設営します。

ここでは連泊者も若干は居ますが、朝の9時頃には多くのキャンパーが次の目的地に旅立ちますので、午前中の早い時間に来ると場所の選択肢が増しますが、夕方頃には目ぼしい所が埋まってきます。

荷を降ろして身軽になったので、原付で15分ほどの伯方ショッピングセンターと伯方インター近くのローソンに食材とビールを仕入れに行きます。

何分にも原付バイクの限られた積載量でキャンプ資材を運びますので、食料・飲料の購入は現地でするようになりますし、お世話になる地元にも、ささやかながら経済効果の一助となる・・・気持ちも重要です。

肉は豚肩ロースとオリーブ地鶏の2パック、ミックス野菜を一袋、刻みネギ1パック、ビールは色々なタイプを4本調達できてキャンプ場に戻ります。


焼き肉開始

まずは前述のダイソーで買ったインスタントコンロの着火剤に着火して、炎と煙を見ながら火力が安定するのを待ちます。調味料も焼き肉のタレはさっぱりした塩たれ、塩コショウ、醤油とコンパクトな容器入りのものが100円ショップのお陰で揃います。

今回の焼き肉のお供は先ほど伯方島で調達したビールです。実は私は日本酒とワインは製造者の話にもちょっとは付いていけるのですが、この歳になるまで、「ビールは苦い水、コーヒーは苦いお湯」のイメージしかなく、これからの人生をエンジョイするために、ちょっとばかり勉強しなくてはいけません。

 さっぱりしたラガービールの「ハイネケン」、濃厚でアルコール度数の高い黒ビール「エチゴビール スタウト」、最近流行のホップ増量で苦味の強いインディア・ペールエール「サントリーTOKYO CRAFT IPA」、通常の大麦麦芽でなく小麦麦芽を多用した「銀河高原ビール」で取り揃えてみました。冷やしておくのは定番のダイソーのアルミ袋の大小二枚重ねで凍ったペット飲料を保冷剤代わりに入れています。この時期になりますとこれで十分冷やせます。

最近のキャンプ場では皆さん背もたれの深いゆったりした椅子を持ってこられているようですが、バイクの後ろにくくり付けていたBOXに入るだけしか運べませんので、コンパクトな折畳み腰掛けを使い、コンテナBOXの蓋を裏返してテーブル代わりにして、ペーパータオルにウエットティッシュ、ごみ袋を用意して待望の「大人のままごと」開始です。

ともかく長年肉を焼いて食べていないので、がっつくようにコンロの上に肉を広げます。暫くして裏返すと網状に焼け目がついています。ごはん代わりはお餅を焼いて醤油の付け焼きです。ビールはさっぱり味の「ハイネケン」からスタートで、咽越しよく流れ込みます。2本目の「エチゴビール スタウト」でパンチが入ります。 10月になりますと日が落ちるのも早く、肉を焼くのに夢中になっている間に辺りは暗くなって来ました。ダイソーで買ったLEDライトを木にひっかけて照明としますが、とても100円グッズとは思えない、まずまずの明るさです。

昔は味のあるコールマンのガソリンランタンを使っていましたが、さすがにソロキャンプでは嵩張って運べませんので、ダイソーグッズの有難みをひしひしと感じます。 肉に目が眩んでしまいましたが、野菜も食べないといけないので焼いていきます。向島で買ったスキレットは、使う前に「シーズニング」という儀式が要るそうで、洗って熱して油を塗ってと、それらしき手順を簡単に済ませましたが、鍋代わりに炭火の上に置き、非常用に持っていた袋入りおでんを温めるのに使いました。

使い捨てコンロは火力が1時間持つと書いてありましたが、まったり1時間半ぐらいは使えたようです。この頃には弱いのに飲みたがりで3本目はホップ大増量の苦みが特徴のはずの「TOKYO CRAFT IPA」も空いていたのですが、味がどうだか覚えていません。・・・Z Z Z


朝からお好み焼きにする

そんなに寒いわけでも無く、よく寝られましたが、じじいなので早くから目が覚めます。前回来た時は対岸のカレイ山に暗いうちから登って日の出を撮ったのですが、今回は近くを散策して島内で大人しくタンポポの種やイヌノフグリをアップで撮るなどの植物観察や、ここでもクモの巣の観察をします。

朝食の材料はたこ焼きをする気満々でしたので、家で使い残した、たこ焼き粉、お好みソース、イカ天、紅ショウガ、刻みネギ、玉子、小さなタレ瓶に入れたサラダ油など揃っていますが、たこ焼き板を忘れた善後策でスキレットを買ったので、お好み焼きに計画変更しました。そのために前日の焼き肉で脂身の多い豚肉を2枚残しておきました。

道具の方もボウル、まな板、フライ返し、お玉代わりのスプーンなど多くの道具を100円ショップで用意して、朝から「大人のままごと」を再開します。

プリムスのガスストーブに、昨夜は鍋代わりに不本意な使われ方をしたスキレットをのせて熱して、油を馴染ませます。

昨夜残したミックス野菜を刻んで、刻みネギ、紅ショウガ、玉子1個をたこ焼き粉と水で溶き合わせ、試しに小さめにスキレットの上で生地に豚肉とイカ天をのせて焼いてみます。

火加減はこれから試行錯誤で勉強ですが、まあまあの焼き上がりで、もう一個の玉子を溶いて軽く焼き合わせて試食です。お好みソースも最近は切り口に工夫がなされ、綺麗に絞り出す事が出来るようになっています。

お次はスキレット全面に流し込んでみましたが、中心部は焦げ気味でしたが、周辺部はなかなかの焼き上がりで、手軽な器具と有りあわせ材料で作った「大人のままごと」の割には大満足しました。

食べた後はお片付けですが、BOXの蓋がここでも活躍で、使えるものは何でも使おう精神が養えます。

片付け終わったら、お湯を沸かして、これまたダイソーで買った昆布茶を飲みながら昼前までまったりと読書タイムとなり、ようやく、所期の目的に沿って落ち着いた島時間の流れに身を任せる事ができました。


荷物をバイクの後ろに収め込んで帰途に就きますが、せっかく「原動機の付いた自転車」でしまなみ海道に来たのですから、人力自転車で上がれなかった所に立ち寄ってみます。

因島の白滝山山頂の石像群・五百羅漢はこれだけしまなみ海道にやって来ていながら、まだ行ったことが無かったので、因島のフラワーパーク辺りから登って行きました。

詳しい話はもう紙幅が少ないので詳しくは書けませんが、今までここに来ていなかった事を悔いるくらいの「絶景」の一言に尽きます。


そんなことでフェリーを使わず橋伝いで尾道まで帰ってきましたので、最近一押しのラーメン店「でんやす」で、澄まし潮ラーメンと〆茶漬け定食を食べて、国道2号線を通り、ちんたらと戻りました。

しまなみ海道の見近島キャンプは軌道に乗って、以降行く毎に100円ショップさんのお世話になりながら、色々と料理や楽しみ方の幅を広げていきましたが、次回からは舞台を呉市の倉橋島に移して周辺の紹介とソロキャンプの様子を書いていこうと思います。

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