page2012!出版デジタル機構とは?

皆さんお疲れ様です。よんです。

昨日は記事を書いている途中で力尽きました。うーむ今回は以前のように駆けずり?回ってないのでそんなに疲れていないはずなんですけど・・・これが歳の(以下略)

いえ、実際には様々な情報が一気に入ってくるのでやっぱり疲れるんじゃないかという勝手な思い込みがですね・・・。

さて、2/9のpageの2日目は初日同様、まずは基調講演を聴きました。

 

出版デジタル機構がめざすもの

植村 八潮 東京電機大学出版局 局長
古川 公平 講談社 取締役 デジタル担当
沢辺 均 ポット出版 代表取締役

この「出版デジタル機構」という聞き慣れない名称なんですけど、この機構は、経済産業省と連携して書籍の電子化を進めていきますよ、というもので被災地支援事業でもあるのだとか。まだ仮称のようなんですけど。

以下のページにはこのように定められています。

出版社20社による「出版デジタル機構(仮称)」設立準備連絡会が設立

  • 国内における電子出版ビジネスの公共的インフラを整備することで、市場拡大を図る。
  • 日本の電子出版物の国際競争力を強化する。
  • 研究・教育・教養分野における電子出版物利用環境を整備する。
  • 現在または将来の利益逸失を防ぎ、出版界全体の成長に貢献する。
  • 国内で出版されたあらゆる出版物の全文検索を可能にする。
  • 本機構は各出版社等からの出資を受け、収益化を目指す。

また、基本業務内容としては以下が挙げられています。

  • 「出版デジタル機構」参加各社の出版物デジタルデータの保管業務を行う。
  • 対図書館ビジネス(BtoP)を各社に代わって本機構が代行する。
  • 国立国会図書館が電子化をおこなった雑誌・書籍の民間活用の担い手となる。
  • 各電子書店・プラットフォーマーに向けての配信業務(BtoB)を支援する。
  • 各社の希望に応じて出版物の電子化を行う。
  • 各社の著作権者への収益分配を支援する。
  • 電子出版物に関する検討事項を討議し、解決する場を提供する。

と、こういうことらしいです。

あまり詳細なことは私も把握しておりませんので、ご興味のある方は調べてみて下さい。

 

さて、それではいつものように箇条書きで。

■東京電機大学出版局 植村氏

・印刷複製技術と伝達情報により出版が変化。デジタル複製とネット流通で大きく変わる
・2010年は電子書籍市場13.2%増
・ヨーロッパの電子書籍事情(考え方)は日本に近い
・ヨーロッパからすれば日本は電子書籍で大成功していると見られている。向こうは冊数自体はもっと少ない
・アメリカと日本ではそもそも電子書籍に対するスタイルが違う。同じだと考えると日本では広まらない
・epubが素晴らしいのは電子書籍とwebを繋げたこと
・国が推進してくれるとやっぱり違う。様々な業種がひとつのテーブルに会するようになった
・既刊本の電子化はどうするか?スキャンでいいじゃん
・書店は10点追加したら古い本は10点除かないといけない。それが電子書籍になればなくなる
・電子化して読むと紙も買うという傾向がある。要は入り口の違い
・出版デジタル機構はデジタルアーカイブ(倉庫としての役割)を目指す
・被災地域支援事業として国から電子化事業に補助金を出すことを検討している

■講談社

・電子化することは紙が売れなくなることを懸念していたが、逆に新規顧客開拓なのではないかという考え方に変わってきた
・電子化の改革案を1ヶ月で作った。そうしたら会社の組織体制改革案になった。会社をシンプルに。これからどんどん変わっていく
・ホームページはバラバラに4つあったものをまとめ1つに
・講談社は社内の大改革を行っている。全てを同時進行中。これは辛い
・日本の出版編集者はきちっとしていないと商品として出したくないという人が多い
・問題は山積みだが、電子書籍化によって紙との相乗効果、新規顧客が開拓されて紙も一緒に伸びた
・著者と編集が一緒に作っていくというアナログ部分は永遠に変わらない(変えない)。著者から預かったコンテンツの利益を最大化していくために電子化も進める

■ポット出版

・出版デジタル機構のフォーマット。固定レイアウト形式(画像)とリフロー形式(.book XMDF)に分けられる
・今のうちに制作したものはリフロー形式にしておくとよい
・交換フォーマットツールは今後重要になる
・電子書籍化のワークフローは印刷会社も含めて検討する必要あり
・印刷用InDesign、電子書籍用InDesign、この2つは似て非なるもの。例えば大根サラダとして出てきたものを切干大根に変えてくれ、と言って変えられるか?できない。変な例えだがまさにその通り。要は大根をどう扱うか。
・出版デジタル機構には申請は自由。電子化の制作費用は半分持つ。ただデータは出版デジタル機構に提供してもらう。また、それにより東北地方(被災地)の人の雇用を増やしてくれ、という条件。これは非常に難しい。
・当面は6万タイトルを電子化することが目標

■その他の意見

・今のところ運動のようなもの。電子化については、まずは社会貢献的な考え方をして欲しい
・黒船とか言われているが基本的に技術やアイデアを持っていればWelcome。どことでも組む準備がある
・市場が大きくならないと売り上げも伸びる訳がない

 

恥ずかしながら出版デジタル機構というのは、私も初めて耳にしたのですが、要は電子書籍化を国も一緒になって推進することのようです。少し前までは本当に黒船がきて日本の書籍をさらっていくんじゃないかと懸念されていましたが、(今も確かにその懸念はあります)が、日本とアメリカでは電子書籍の質と言いますか、根付いている文化が違います。おいそれとどうこうできるものではないでしょう。

また、今回の講談社さんの話を聞いていると、出版者も急ピッチで電子化の流れを作っているということが伝わってきました。果てしない苦労をされているようですけど・・・。組織体制を変えるところから始めていますから時間もかかるということは仕方ないのでしょうね。

この出版デジタル機構も出版社の対応もそうですが、確実に電子化の流れが出来てきているように感じます。

 

さて、また後日に今回のまとめの記事を書きたいと思います。

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