『少年メリケンサック』  ~ mo-riのシネマシアターvol.3 ~

今回のおすすめ映画は2009年公開 宮藤官九郎監督 『少年メリケンサック』です。

ストーリは、
レコード会社に勤めるかんな(宮崎あおい)は、動画サイトでイケメン4人組のパンクバンド“少年メリケンサック”のライブ映像を発見。彼らと契約すべく会ってみると、メンバーは50歳過ぎのオヤジ達で、彼女が見つけた映像は25年前のものだった。予想外の事態に困惑するかんなだったが、バンドの全国ライブツアーに同行するはめになり……。

この映画は私が何十回も観た大好きな映画です。それまであまり邦画は観なかったのですが、この映画を観てからというもの他の邦画を観に映画館に足を運んでいくようになりました。それだけ私にとって大好きな映画です。

出演者の佐藤浩市、木村祐一、田口トモロヲなど、個性派俳優が勢揃いしているのも面白さの一部です。
主人公のかんなちゃん役を演じた宮崎あおいもすごく良かったです。それまでおっとりした役などしか演じなかったのが、この映画では、ぶっとんだ役柄で、おじさんの生尻を見せられても動じないなど肝が据わっていた演技をしています。またパンクバンドのお話ということで色々なバンドの方がチョイ役で出演しているのも隠れた見所だと思います。若い頃のジミーを演じた峯田和伸(銀杏BOYZのボーカル)は劇中の「少年メリケンサック」 の曲を実際に演奏していて、とてもカッコいいです。滑舌が悪いせいで歌詞が「ニューヨークマラソン」に聞こえてしまうというくだりは個人的にかなり面白かったです。

他にも出演者に在日ファンクの浜野くんや銀杏BOYZのメンバーもちょっとだけ出演していて、見つけるたびに一人で「おお!」と歓声を上げそうになってしまいました。音楽担当の向井秀徳さんも大好きなので、かなり私にはマッチした映画だったと思います。主役のみなさんはもちろんなのですが、私が一番 笑ったのは田辺誠一さん演じるTELYAでした。ガクトさんみたいな容姿でロボットみたいに喋る田辺さんは面白過ぎました。こういう色んなところに笑いを散りばめる演出はやはりクドカンならではですね。かなりブラックな笑いもありましたが、それでも観終わったあとに爽やかな気持ちになるのはやはりクドカンの腕があってこそだと思います。佐藤浩市に下ネタを言わせられるのもクドカンだけではないでしょうか。ああいう汚いおじさんも難なくこなす佐藤浩市はやはり凄い役者さんだなと痛感しました。音楽と青春と中年のおじさんたちの生き様を、かっこよく描いた爽やかな作品でした。

イラスト

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