紙のルーツ

紙のルーツ

どうも、よっさんです。
連休中の菓子博に7時間以上滞在した(←!!)レポートを
書こうと思っていましたが、
gulaに先を越された…以前に、記事用の写真を撮り忘れてました(撃沈)
…ので、まじめに紙についてのお話です。

みなさんの日常生活に欠かせない、
そしてニシキプリントが作る印刷物になくてはならない紙。
しかしこの紙が発明されたのは、
人間の歴史から言えばごく「最近」のことです。

紙が発明・普及される前、
人間は文字などを筆記する媒体として
粘土板、パピルス、羊皮紙、木の葉、木簡、竹簡、
絹帛(けんぱく…絹布のこと)
さまざまなものを利用してきました。

その中でもパピルス(papyrus)は
英語の「paper(紙)」の語源になっていますが、
正確に言うと「紙」ではありません。

紙とは
「植物繊維その他の繊維を膠着させ(=くっつけ)て製造したもの」
と定義されます(JIS工業規格による)
一方のパピルスは、
パピルス草の幹を薄く裂いて直角に交叉させ
おし叩いてシート状にしているだけで、
「植物の繊維を取り出す」「すく」という
紙として最も重要な工程が存在しません。
なので、パピルスは「紙」とは言えないのです。

いろいろな説がありますが、
この意味で「紙」と呼べる物が作られるようになったのは
紀元前200年頃の中国黄河流域で、
中国で出土した前漢時代の地図は
紀元前150年頃のものと推定される世界最古の紙です。

ちなみにその頃の紙作りに使われた材料は、
麻のボロぎれや樹皮などでした。
まだ不完全な品質だったので、
書写用よりも主に包装用として使われていました。
書写向けの実用的な紙が開発されたのは
後漢時代の105年のことです。

このとき発明された
1.植物繊維を取り出す
2.紙をすく
3.脱水・乾燥する
という紙の製法における基本工程は、
2000年以上たった今日も変わっていないのです。

日本には、推古天皇時代の7世紀に高麗の僧 曇徴(どんちょう)
墨とともに製紙法を伝えたと言われています。
(紙そのものは、製紙法が伝わる以前に
 日本へ持ち込まれていたと考えられています。)

ヨーロッパでは日本よりはるかに普及が遅く、
シルクロード沿いに徐々に西進した製紙法がヨーロッパまで伝わったのは
紙が発明されてから約1400年後の12世紀以降。
その後グーデンベルクが活版印刷を完成させると
各地で印刷出版がさかんになり、紙の需要は増大します。
それに伴い、製紙法の技術も進歩していきました。

「消費量がその国の文化成熟度のバロメーターになる」
とも言われる紙は
経済発展とともにその消費量は増加し、
情報伝達の媒体として重要な役割を果たしてきました。

今では情報伝達の手段が紙から電子メディアへと急速に移行し、
社内のペーパーレス化も
本や新聞をタブレットやスマホで読むことも当たり前になりましたが、
人間が文化を育んでいく上で
紙はまだまだ重要な役割を果たしているのです。

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