私の入院の記録 -リハビリ病院編 その1-

 シンです。

台風が日本列島近くでいくつも発生し、大雨や蒸し暑い日が続いている本格的な夏目前の今日この頃ですが、みなさん体調を崩さずに元気でお過ごしでしょうか。

さて、今回のブログは「私の入院の記録-転院編-」に続く「リハビリ病院編 その1」と題してお送りします。まずはリハビリ病院のスタッフや日常生活の紹介から書くことにします。しばらくおつきあいください。

リハビリ病院のスタッフについて

一般の病院とリハビリ専門の病院(以下「リハビリ病院」と略)とで決定的に違うのは、病院のスタッフ(受付のスタッフや医師などを除く)の種類が前者がほぼ看護師さんだけの1種類であるのに対して、後者が3種類ものスタッフを擁していることだと思います。以下にそのリハビリ病院の3種類のスタッフについてご紹介しましょう。

まず入院患者の身の回りの世話をされる「介護福祉士」さん(長くて言いづらいので以下「介護士」さんと略させてもらいます)。私がお世話になったAリハビリ病院では、冬でも軽装でTシャツ1枚という姿が多かったのが印象的でした。病院内は空調が効いていることはもちろんですが、患者さんの世話で忙しく動き回るので、厚着は不要ということらしいです。

次に入院患者の健康状態を管理・サポートされる「看護士」さん。これは一般の病院でもおなじみですね。服装も一般的な看護士さんと変わりませんでした。Aリハビリ病院では1日に一度は血圧などの健康チェックが看護士さんによって必ず行われていました。

最後にリハビリでお世話になる「療法士」さん。療法士というのは国家試験によって資格が与えられ、大きく分けて「理学療法士」、「作業療法士」の2種類があります。前者が筋力トレーニングなどにより、身体のいわば物理的な側面からの患者のリハビリを担うのに対し、後者は患者が実生活において支障なく活動できるように指導するという役割を担っています。患者さんの多くは、身体能力の回復によって入院前の生活にあまり困難なく戻って行けるものですが、患者さんによっては、身体的には回復していても、入院前の元の生活での活動(部屋の掃除・洗濯・料理など)をするのに困難があるという場合にはこの作業療法士さんの出番ということになります。

いわばリハビリ病院の目玉とも言うべきこの療法士さんの人数は、介護士さん、看護師さんに比べて圧倒的に多く、私がじかに接したのはせいぜい全体の4分の1程度だったのではないかという感じでした。普段の服装はジャージの上下とスポーツシューズで、年齢も大学を出たばかりの20代から勤続が永い方でも30代前半という若い方がほとんどを占めているというのが特徴です。対する患者の方はと言えば、はっきり言ってごく一部を除き、ほとんど高齢者が占めているのと対比的です。さらに私が接した療法士さんにお聞きしたところでは、ほとんどが在学中に何らかのスポーツをしていたという方のようでした。なるほど、身体を動かすのが好きだという位でなければ、療法士という職業は務まらないということでしょうか。

これらのスタッフの方は基本的に週休2日制ですが、病院では土・日・祝日も絶え間なく入院患者のケアが必要なので、休みは必ずしも土・日になるとは限りません。さらに、私が入院したリハビリ病院では看護士さん、介護士さんについてはそれぞれ1名ずつが2人組になって夜勤があり、夜の間も不眠で患者のサポートをされていました。H総合病院のような大きな病院では夜勤の看護士さんも複数いらっしゃるのでまだいいですが、たった2人で数十名の患者の世話をするのは本当に大変な仕事だと思います。

またAリハビリ病院では、介護の都合上、3度の食事は個々の病室ではなく、食堂で揃ってとることになっていましたが、その際には私が属している西棟の他、東棟の患者も一緒に食事をしていました。はっきり聞いたわけではありませんが、どうやら東棟には、かなり重度の障害のあるの患者さんが多いようで、介護なしでは食事すらできない寝たきりの状態の人も多くおられたようでした。東棟と西棟のスタッフは完全に独立していて、それぞれが自分の担当の棟の患者のみの面倒をみるという風に役割分担が明確に決められていたようです。

日々のリハビリについて

前にもお話ししたように、私がAリハビリ病院に入る直前まで入院していたH総合病院では、リハビリは一日1回実質30分程度、さらに土日祝日はお休みといったきわめて不十分なものでした。これに対し、Aリハビリ病院ではリハビリは一日最低でも2回、中には一日3回という日もありました。一回当たり、約50分で移動の時間を差し引くと実質40分位でしょうか。

夕方になると、掲示板に翌日のリハビリのスケジュールが張り出されるので、入院患者はそれを見て自分のリハビリの予定を知ります。私はまずメモ帳に時間をメモし、自分の病室に置いたホワイトボードに書き写していました。これを見れば予定が一目瞭然です。まあ、そこまでしなくても時間になれば療法士さんが病室まで迎えに来てくれるのですが、来られた時に病室を空けていたのでは療法士さんにご迷惑ですし、リハビリの限られた時間を有効に使うには、迎えに来られたらすぐに病室を出れるように準備しておかなければいけないと思い、そうしていました。

入院後しばらくすると、リハビリの空き時間に自主トレとして、自転車をこぐ器械や負荷をかけて足踏みをする器械を使って自主トレをするようになりました。自主トレをどこに入れるか、このホワイトボードを見て決めたものです。このホワイトボード、電器店の景品としてもらっていたものを家族に持ってきてもらって使いましたが、大変役立ちました。他の人はせいぜいリハビリの時間のメモをとるところまでで、ホワイトボードに書き出す人はいなかったようですが、ホワイトボードなど安いものだし、どうしてこんな便利なものが各病室に最初から備えられていないのかと不思議な気さえしたものです。

このリハビリ病院ではリハビリに余裕がある分、本格的なリハビリに入る前に柔軟体操をしていました。H総合病院では、30分足らずという短い時間の制約もあって、リハビリ室につくといきなりリハビリを始めるというありさまでしたが、Aリハビリ病院でリハビリ前の柔軟体操をして初めて、特にリハビリの初期の段階では、このリハビリ前の柔軟体操が重要だということを実感したものです。この柔軟体操のおかげで、H病院でさっぱり進歩しなかったリハビリが劇的に進歩し始めたのを感じました。

その他日々の生活について -入浴-

入浴は週に2回でした。これは介護スタッフの都合でそう決められていて、確か火曜日と金曜日で、その日が祝日だったりすると、曜日が変更になったりしました。基本的に土・日・祝日は入浴はありませんでした。これらの日は平日よりもスタッフが少ないからという理由からそうなっていたようです。入浴時間は大体午前中に割り当てられ、せっかく入浴してさっぱりしたと思っても、すぐそのあとの午後からのリハビリで大汗をかいてしまう、ということがよくあって困りました。それでも私が入院していた時期が秋から冬にかけてだったのでまだいい方だったのかも知れません。これが真夏だったらと思うと本当にぞっとします。

リハビリが進み、退院間近になって初めて、介助不要ということでかなり自由に空き時間に入浴できるようになりましたが、もっと早く自分から意思表示しておけばよかったと悔むことしきりでした。私の場合、入院した当初が車椅子で、一番制約が多い状態からスタートしたためこうなってしまったのですが、最初のうちこそシャワー・チェアという車付きの椅子に座り、スタッフに椅子を押してもらって浴室に入ってやっとシャワー浴ができる状態だったものの、しばらくすると自力で歩いて浴室に入り、椅子に腰かけてシャワーを浴び、浴槽にも自力で出入りできるようになっていました。しかし、自分の方から自由に入浴させてほしいと訴えなかったばかりに、自由に入浴できる機会を長らく逃してしまったのです。

この件の反省から、退院する時期については、しばらく前からクリスマス前頃には退院したい、と接するスタッフにことあるごとに訴えていたため、ほぼ自分の希望通りの日取りで退院できたのではないかと思います。やはり人任せにしていては駄目で、自分の方から意思表示をすることが大事だと思います。もちろん担当の先生が認めてくださらなければ自分の希望はかなわないのは当然ですが、自分から意思表示をすることで早く気付いてもらえるということもあるのは間違いないと思います。

その他日々の生活について -就寝-

Aリハビリ病院の消灯時間は午後9時となっていました。これはH総合病院と同じですが、私が入院する少し前まではAリハビリ病院の消灯時間は午後8時だったようです。普通の感覚からすると午後8時というのは、まだ早い気がしますが、テレビも見ない私にとっては8時消灯の方がありがたいと思いました。手術前は布団に入ればすぐに寝付いて朝まで目が覚めないのが当たり前だった私が、手術後は脚が気になってなかなか寝付けず、寝ても夜中に目が覚めるという状態になっていたため、睡眠を少しでも長く確保するために少しでも早く眠りたいと思うようになっていました。試しにアイマスクをしてみましたが、慣れないアイマスクが気になりかえって眠れないありさまでした。結局、普段は布団で眠っていた私は慣れない病院の硬いベッドとよほど相性が悪かったのか、入院中は熟睡というのにはほど遠い状態がずっと続きました。

また、就寝時の服装ですが、Aリハビリ病院では就寝時には寝間着に着替えることが推奨されていました。ともすると、入院中は俗に言う「着たきりスズメ」状態になりがちですが、この病院ではなるべく普段の(健康時の)生活と同じように昼と夜のメリハリをつけるという観点から着替えるようにという方針だったようです。私も日中はリハビリがあるので上はポロシャツ、下はジャージのズボンで過ごし、寝る時には寝間着に着替えていました。

その他日々の生活について -歯磨き-

この病気になるまで、私が日頃世話になる病院といえばせいぜい歯科医院ぐらいでした。しかし、自由に歩ける時ならいざ知らず、歩けなくなって入院している時に虫歯になってしまっては困ります。一応このリハビリ病院には歯科医が訪問してくれるサービスがあるらしいですが、病気の上に病気を重ねることは避けたいものです。そこで朝起きてすぐと、3度の食事が終わってすぐに歯磨きを欠かしませんでした。恐らく入院中はこれまで私が生きてきた中で一番歯がきれいな状態だったのではないでしょうか。おかげで入院中は虫歯にならずにすみましたが、退院して元の生活に戻ると、あっという間にまた虫歯になり、現在歯医者通いしているところです。お粗末。

おわりに

今回はまずリハビリ病院のスタッフの特徴や病院での日常生活について書きましたが、いくらかでも興味を持って読んでいただけたのなら幸いです。今後どのように1か月半近くにわたった私のリハビリ病院での生活を紹介するか、実はまだ考え中ですが、また近いうちに書こうと思っています。では今回はこの辺で。

お知らせ
情報発信のお手伝いをする広島の印刷会社ニシキプリント

コメント

タイトルとURLをコピーしました