ヒロシに追いつけ!ソロキャンプあれこれ(1)、まずは見近島に泊まってみた

 最近7台ある自転車を持て余し気味で近距離しか乗っていない「window tribe」です。

マンネリ打破

 しまなみ海道のサイクリングでは、登り坂で息切れと戦いながら何回も行ったり来たりしました。その道中、愛媛県の伯方島と大島の間に方・大島大橋という橋があり、中間の橋脚部分の土台になっている「見近島(みちかじま)」という無人島があります。

 この島にはキャンプ場があるのは知っていたのですが、橋の上の脇道から自転車・原付・徒歩でしかアクセスできません。せっかく登った橋の上から下るのは楽で良くても、戻るにはまたしんどい坂を登る事となり、体力を消耗したくないので、サイクリングの時は他人事のように通り過ぎていました。

 そんな中、尾道―今治間サイクリングを1日で往復するという大目標を達成したので、たまにはあくせくと走らず腰を落ち着ける「しまなみライフ」を楽しんでみようと計画を練るために偵察に行ったのが、「しまなみサイクリング入門」の前回でのお話です。

しまなみサイクリング入門(17)卑怯にも原動機付き「自転車」で行く
 しまなみ海道サイクリングに再三通っても、素人サイクリストの域から出られない「window tribe」です。前回までで、一応日帰りで尾道~今治間の往復140kmを走破して一定の達成感を得たところまで来ました。 このあとの目標を琵琶湖を1日

 以前は休日に時間を紡ぎ合わせては旅に出て優雅なホテルライフを満喫するか、サイクリングで体を酷使するかの両極端な余暇の過ごし方をしてきましたが、繰り返しているうちにマンネリになってきました。

 サイクリングネタも尽きてきた事だし、ヒロシ師匠やバイキング西村がキャンプ芸人として注目されているのにあやかり、あくせくした生き方から、スローな方向に舵を切ってみようと考え「ヒロシに追いつけ!ソロキャンプあれこれ」と題して新しいシリーズを立ち上げてみました。

 昨年秋以降に「お金をかけずに、工夫をして、不便を楽しもう」という方針で、下駄代わりに使っている90ccのスクーターで見近島に、また車では呉市の倉橋島などにと、月1回ペースで時間を見繕ってソロキャンプを重ねて来ました。


 大昔は我が社の同年輩ら大勢と吉和の「もみの木森林公園」にキャンプに行ったりして、当時としては珍しいコールマンの2バーナーにオーブン、ガソリンランタンなど充実したキャンプグッズが目立っていたのか、たまたまアホの坂田師匠がTVの取材で来られて、たこ焼きを振舞ったりしたこともあったなと思い出したりします。そんなメンバーもいまではみんな立派なジジイになってしまいました。

 そんなこんなで年季の入ったキャンプグッズは我が家の趣味の部屋で埃を被っていたので再点検しました。コールマン2バーナーはグラファイトパッキンの劣化で燃料漏れを起こしていたり、ガソリンランタンはマントルという電球のフィラメントに当たるパーツが入手できなかったりで、それなりにメンテに手間が掛かりそうですし、タープはポールが1本どこかに行ったようです。

 どのみち原付バイクでのアクセスでは、そんな大掛かりな道具は運べませんので、質素に小さなプリムスのガスストーブにコッフェルなど有りあわせの小物を昔から使っていたプラスチックのコンテナBOXに詰め込み、テント・マット・寝袋などとともにゴムバンドでくくり付けて、スクーターの小さな荷台で運べるかあれこれ試して準備しました。


ソロキャンプに旅立つ

 そして昨年9月の連休で時間を見つけ出して、何はともあれ一回泊まってみようと決行に移しました。

 前月に手ぶらで偵察に行った時と違うのは、まるで夜逃げでもするかのように、スクーターの小さな荷台に分不相応な荷物をゴムバンドでグルグル巻きにして積んだことです。がっちり固定とはいかず、ぐらつく不安定さは否めないので、のろのろ運転で慎重に走ります。

 竹原の忠海港から始発フェリーで盛港に向かい大三島に降り立ちました。対岸の生口島は雲に覆われ、その切れ目から光の筋が見えます。 Wiki先生で調べると「薄明光線(はくめいこうせん)」と言って、レンブラントが好んで描いたので「レンブラント光線」とか旧約聖書の記述に由来する「ヤコブのはしご」「天使のはしご」とも言われるそうです。

 大三島に上陸して走り出しますが、スクーターは燃料タンク容量が小さく長距離を走るようには考えられておらず東広島市から走って来ますと残量が心もとないので早めに給油しておきます。

 ところが給油口の上にテントとマットをくくり付けていますので、その都度に降ろさないといけないので積み方にはまだまだ工夫が必要です。

 大三島橋では原付ですので50円払って渡り伯方島に入ります。慎重に走るとはいっても自転車の倍のスピードで移動ですので、9時過ぎには伯方・大島大橋に到着しました。 橋上から見下ろす見近島のキャンプ場はがら空きで、しめしめと橋脚手前の脇道から下に降りて場所取りします。

 ここではキャンプ場とは言わずに「野営地」という看板が出ています。連泊者の数張りのテントが残っていますが、場所はより取り見取りです。

 久々にテント泊をする初心者の私には石のベンチのある藤棚の下が木陰もあり特等席に見えましたのでここに荷物を降ろしてテントを張ります。

 橋の上からは見えませんが、連泊者は山側の林の手前に陣取っています。日中の暑さを避けるのには木陰が都合よいことも考えられますし、木からロープを張って洗濯物を干せる利点もあります。半面、蚊などの虫の事も考えないといけないし、快適に過ごすために藤棚の所が吉と出るか凶とでるかの経験を積むのも勉強です。


大島観光に出かける

 身軽になって一息ついたところで、自転車で来た時には「体力温存」という名目で細部にわたり見ていなかった大島の要所巡りに向かいます。

 まずは、第一目的地として偵察の時に遠見茶屋で「カレイ山のカレー」を食べたカレイ山展望台に今回も登ります。

 左手には伯方島と大島の間に架かる伯方大島大橋とその橋脚が設置された見近島が見えます。右手には村上水軍が活躍の本拠地としていた能島方面が見えます。

 実は前回、もう一つ目的があって、遊覧飛行の「せとうちシープレーンズ」の水上飛行機がこの辺りを折り返し地点にしているので、それを山上から撮ろうとしたのですが、遠見茶屋でのんびりしている間にエンジン音を残して消え去られたので、今回は茶屋には寄らず、飛行機撮影一択で粘る事にしました。

 たいそうな機材は持ち歩けませんので、カメラは最近「旅カメラ筆頭」で持ち歩く機会の増えたSONYのHX90Vというコンパクトでいながら30倍ズームで格納式のファインダーを備えた機種です。

 来る時と違いすっきりした青空になっていて、定期便のANAのB787がJA824Aというシリアル番号など細かなディティールまで見えて小気味よいです。

 お待ちかねの水上飛行機、クエストKodiak100がやって来て逆光気味で鮮明には撮れませんでしたが、第一目的を済ませ満足して山を降ります。
 お次は大島を一気に縦断して、第二目的地の行列のパン屋さん「ペイザン」に行って、パンプレートランチとします。

 滋味溢れるスープに、色とりどりの付け合わせ野菜が添えられ、数種のパンからは小麦粉の風味を味わうことができて、ほっとします。


 空腹を満たしたら、お次に来島海峡大橋に入り、第三目的地として途中の馬島で橋脚エレベーターに乗ってバイクごと降りてみます。

 0.5平方キロの小さな島ですのであれこれ探検しますが、島の外れに神社がありその裏手には、木々に阻まれ景観は全く無いのですが「ウズ鼻灯台」があります。

 灯台には海上保安庁により「灯台カード」のQRコードが示されダウンロードして集める趣向のようで、次にマンネリの陥った時などには「灯台めぐり」などするのも色々発見がありそうで風流だと思いました。

 橋の上からは観潮船が渦巻きの中に向かっている光景を見ましたが、この日の潮流は穏やかな感じでした。

 四国本土を目前に折り返し第四目的地として大島の南側の展望が効く亀老山展望公園に上ります。山頂の斬新な展望台は東京オリンピック会場の新国立競技場の設計で知られる隈研吾の設計です。前に来た時には雨天で視界が全く利きませんでしたが、今回は来島海峡大橋が眼下に見えます。ただしここの売りは夕日の風景だそうで、これでもう一回は来る理由ができました。

 自転車だとこんなに高低差のある所は多く回れませんがアクセルを開けるだけで欲張りプランが果たせます・・・と思っていましたが、老齢の原付スクーターで亀老山の登りはちょっとオーバーヒート気味でした。

 夕食用に飲み物をコンビニで仕入れて、見近島に戻ります。橋の上から見ると私の黄色いテントの周りにはお仲間がやってこられたようです。藤棚にハンモックを引っ掛けて休んでいる人も見えます。

 太陽が大分傾いてきましたが、朝の薄明光線とは違った太陽の光の表情を見ることができました。

 この日の夕食はイージーにパックのおでんをコッフェルあけて、プリムスのストーブで温めて、ご飯の代わりにお餅を焼いて醤油を付けて晩酌です。

 お酒の方はジーマという飲み物があるのは知っていたのですが、どんな味か知らなかったので買ってみました。うんうんと納得して、飲み慣れたエビスと菊水のふなぐちに手を伸ばし翌日に備えます。


キャンプ2日目

 翌朝といっても日の出前です。再び大島に渡りカレイ山の展望台に向かいます。ちょっと出遅れ気味で下のほうで太陽が出掛かっています。展望台に駆け上がり年賀状用に日の出の写真を撮るのが目的でしたが、能島を背景にそれなりの写真が撮れました。今回のミニトリップは「太陽の光」が有り難いという印象です。

 見近島に戻ってもまだ6時台ですが、昨日コンビニで保冷剤代わりに買っていた冷凍の鍋焼きうどんが程よく解凍されたので、これを温めて、お餅も焼いて朝食です。

 周りの方々は三々五々に撤収して旅立って行かれ、私のほうはここからお昼前まではうろちょろせずに、藤棚の下に腰掛てぼけっと読書タイムです。

 今までのサイクリングでしたら、コース上のブルーラインに1km毎に表示された目的地までの距離を息を切らせながら消化する事ばかり考えていましたが、年相応にのんびりするのも捨てたもんじゃないかなと考えるようになりました。

 帰りのフェリーの時間から逆算して、そろそろキャンプ道具を撤収して帰途に就きます。

 バイクは大事をとって伯方島で給油し大三島まで戻り、大山祇神社参道にある建築家伊東豊雄氏監修のカフェ「みんなのいえ」でランチにしようと立ち寄ります。ランチセットはちょっと遅く品切れでカレーを頂いて帰りました。(味やコンセプトは大変参考になりましたが、たまたまちょっとばかり接客面で問題ありだったのが残念でした)

 盛港からはフェリーで帰りますが、途中の「うさぎの島」の大久野島では乗船客の行列の長さに驚きで、宮島に匹敵する観光地となってきたようです。

 この後、月一回キャンプに出掛けるようになったのですが、今回は食事がお粗末でしたので、次回はもうちょっと食にウエートを置いてみようかなと思います。

コメント

  1. 文音 より:

    しまなみネタが尽きたようにいわれますが、しまなみ海道を往復する脚力をお持ちなら、来年のネタになりますがしまなみを舞台としたサイクリング大会に参加されてはいかがでしょうか。今のところ、来年ありそうなサイクリング大会は、三月のしまなみ縦走。こちらは、基本二日でしまなみサイクリング道を片道走れる方であれば、完走できます。もちろん、一日で片道走破の方もいれば、往復走破の方もいます。四月にグランツールしまなみ。十月にサイクリングしまなみ2020。しまなみ縦走は今のところ無料イベントですので、こちらでフインキを味わって、その後の対応を決めるのはどうでしょうか。ごく最近ですと、今年の十月二十日に予定されているしまなみサイクリングフェス。こちらはしまなみ往復コースから埋まっていった大会ですが写真家であればいっぱい取りたい写真が撮れます。しまなみ分は申し込み締め切りですが、ゆめしま分はまだ募集中です。自転車でいっぱいになった渡し舟を見るだけでサイクリングの聖地に来たという実感がわきます。

    • window-tribe より:

      コメントありがとうございます。駄文ながら読んでくださる方が居られたことに感激です。さて、イベント参加のお誘いではございますが、このように事あるごとに写真を撮りたがる「団体行動の出来ない脇見野郎」ですので、他の参加者様に迷惑がかかること必至です。まだ10代の頃、バイクで路傍の何かに気を惹かれて止まった途端、後続の友人に追突されたトラウマもあったりします。そんなことで、時間に縛られるイベントより、気ままな一人旅で、行った先でより多くの発見をして、皆様にお知らせしようと考えております。自転車の方は先だって2台目のブロンプトンP6を入手しました。バイク故障により車にP6を積んで行き、伯方島と見近島の間をキャンプ道具を運ぶため往路に3往復、撤収に3往復、併せて6往復しました。馬鹿でしょう。当分はソロキャンプの記事が続きますが、自転車を諦めたわけではなく、年相応に電動アシストのスポーツバイク購入とドローンの買い替えを睨み、二兎を追う者、二兎を得るために内職をしこしことやっており、一休み中とご理解ください。社内でも仕事に関係ない文を書くと言われながらも、許される限りは、お目汚しをお願いいたします。